明日に向かって撃て!(終)
ウルトラセブン
♪ ジングルベ〜ル ジングルベ〜ル ♪…………
今俺は、サンタクロースである。
駅前スーパーでサンタクロースに、扮しているのである。
小南探偵事務所に持ち込まれたミッション。
ミッションとは・・キリスト教の布教ではない。映画でもない!
それは、万引きに目を光らせること!
久し振りに喫茶“憩い”へ行くと、緑ちゃんは休みだった。内心がっかりしている俺にマスターが持ちかけたのである。
「小南さん、暇やろ?」
「いえ、暇ということはないです。和登さんの屋敷内の仕事もありますし」
「どやろ、警備のバイトなんやけど、年末だけやさかい」
「警備ねぇ。ま、犯罪に目ェ光らせるっちゅうことでは探偵仕事といえなくもないですよネ。分かりました。マスターがどうしてもとゆうんやったら断れませんわ」
「いや、どうしてもとゆうわけやないんやけどな・・」
という訳で・・・要するにサンタクロースに扮しての客寄せだったのだ。
クリスマスは冬休みである。子供連れが多く、小さい子は必ずといっていいほど近づいて来てぺたぺたと触りまくる。
「あんなァさんたさん、あんなァきょうナぁぷれぜんとナぁ、まってんねんでェ〜」
「あ〜しゃんたしゃんやぁ〜、しゃんたしゃぁ〜ん、うっとこにもきてやぁ〜、じぇ〜ったいやでぇ」
「ホォッホォッホォッ、いい子にしてないと貰えないんだぞォ〜」
作品名:明日に向かって撃て!(終) 作家名:健忘真実