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3等星と七つ星

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その日から丘に行って春と一緒に天体観測するのが日課になった
「えっと、あれはしし座?」
「うん、そうだよ」
春のおかげで星について無知だったあたしも
いくつもの星座を覚えるという急成長を遂げた
「しし座のネメアの獅子は、ヘラクレスの初めての冒険で倒した化け物だったんだよ」
「ちなみに、ヘラクレスってのは東の方にあるヘルクレス座のこと」
こうやって春はいつも神話とかの話をしてくれる
「へぇー、ヘラクレスって凄いね。獅子ってライオンでしょ?」
「体を3日間絞め上げたんだって。凄いよね」
この神話を聞くのがあたしの楽しみだったりする
神秘的で、とってもおもしろい
「そういえばね」
「なに?」
そういっておもむろに学生鞄からお目当てのものを探す
「みてみて、凄いでしょ97点」
鞄から出したのは、物理のテスト
「梓にしてはやるじゃん」
「でしょー?天文が範囲だったから気合入ったの」
相手は小学生だけど、春に褒められるのは嬉しい
こんなにテストで良い点数とったのは初めてだし
「その調子で頑張れ」
「えーと、それはできるかどうか…」
「ほんと、そういうとこは駄目だよね」
「うるさいなー」

作品名:3等星と七つ星 作家名:ひさぎ