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3等星と七つ星

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「あれがね、北斗七星」
そういって男の子は指で星を指したんだけど
あたしには、全部ただの点々にしか見えない
「えっと…どれが?」
「あのお酌の形してるやつ。見えない?」
えっと…お酌の形…お酌…
「あ!あった」
理科の授業かなにかで見たことある気がする
けど、実際見てみるとわかりづらい
「北斗七星は、七つある星のうちメグレス以外は2等星なんだ。だからあんなにも明るい」
「へぇー、星詳しいんだね」
「まぁね。毎日観測してるから」
「ってことは、君はいつもここに来てるの?」
「うん。毎日ここで星を観察するのがぼくの日課」
「そっか」
この星空なら毎日来たくなるのもわかるかも
「あたしもさ、毎日ここに来ていいかな」
思いがけない問いかけに、ちょっと驚いた顔をしてる
「...いいよ、別に」
渋々承諾って感じ
「あたし梓っていうの、これでも高校生」
「ふーん、見えないね。ぼくは小学4年」
「君は妥当だね。名前は?」
「風波春」
「へぇー、中々かっこいいじゃん」
「まぁね」
「これからよろしくね、春」
「よろしく、梓」
笑うまでは行かないけど、優しい顔で返事をしてくれた
だけど、梓って…
「あのね、年上には敬意を払いなさい」
「わかったよ」

作品名:3等星と七つ星 作家名:ひさぎ