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看護師の不思議な体験談 其の十八 『看護士のM君』

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「ああっ!うわぁっ!」
 突然、M君の大きな声が響く。
「えっ、今度は何っ?」
「し、白いものがっ!」
 そう言いながら、M君は私を押し退けて、部屋を飛び出してしまった。
 廊下を走り去って行くM君の足音。
 私のほうは、突然あの体格に押し退けられたものだから、足元がふらついて尻餅をついてしまった
「いてて…。」
 見ると窓のカーテンがフワリとひるがえっていた。
(カーテン…)
「Mのヤツめ、後で覚えてろよ~」
 突き飛ばされて、暗闇に一人取り残された私。じわじわと怒りが沸き上がる。
 怒っててもしょうがないので、部屋の電気をつけ、一人で室内を確認する。トイレと浴槽内、タンスの中、ベッドの下まで。
「これで本当に不審者がいたらどうしてくれんのよ。」
 不審者がいない事、火元がない事を隅々までチェック。
「よし、オッケー。」
 退室しようとして、ふと足を止めた。
(あ、窓…)
 先ほどカーテンがなびいていた事を思い出す。
 窓に近づくと、ギョッとする。
(窓、閉まってる…)
 きっちりと閉じられた窓は、鍵もかけられていた。
 窓ガラスには、目を丸くした自分の姿が映っている。
(やば、不審者よりもマズイじゃないの。)
 そうっと後退りしながら、電気を消すと同時に部屋を閉めた。
(お騒がせしてすみませんでした。)
 見えない誰かに向かって、ペコリと頭を下げる。