看護師の不思議な体験談 其の十八 『看護士のM君』
とりあえず、その足でナースステーションに戻り、何をしたかと言うと…。
「こるぁっ!Mっ!」
「ひぃっ!すいません!」
とりあえず、M君のお尻に回し蹴り。
「女の子(?)一人置いてけぼりにするって、どういうことよ!」
結局、カーテンがヒラヒラしてたのは何故なのか、M君のおかげで深く考えずに済んだ。
今日の出来事を言いふらそうかとも考えたが、ガックリと肩を落とすM君を見ていたら、それもかわいそうな気がした。
(まあいいか…。どうせそのうち…。)
予想通り、夜勤を組むたびにスタッフのあちこちからM君の話題が持ち上がり、すっかりビビリキャラになってしまったM君。
M君にときめいていた後輩たちも、すっかりもと通り。
プロ意識の強い看護師たちの中で、
「見た目は男らしいのに、怖がりなんて、かわいい~」
なんて言われると思ったら大間違いだぞ!
作品名:看護師の不思議な体験談 其の十八 『看護士のM君』 作家名:柊 恵二