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キミの写真

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「ぁ…………う……ぅぅぅ、新一、新一……しんいちぃ…………!!」


 彼女の背に回した両腕の力に比例するかのように、ひかるの嗚咽は大きくなり、とうとう大声をだして泣きはじめた。


 ――お前も辛かったんだな、ひかる――


 背中を優しく叩いてやる。いつの日か、俺を慰めてくれたことをひかるに出来たことに、俺は無性に嬉しい。


 ひかるは、されるがままにされていたが、不意に俺の方を見上げてくる。夕焼けが彼女の顔を照らし、彼女の頬を伝う涙が宝石のように輝いて、彼女をより一層、艶めかしくする。

「…………新一、ずるいよ。私、まだ謝れてないことがあるのに……謝るの新一ばっかりで…………」


 ひかるはわざとらしく頬を膨らませる。その行為を見て、可愛らしくて吹き出しそうになる。



 ――もう、大丈夫だよな?――



 一息吸って、吐く。心音は耳元でバクバクと鳴り続けている。


 伝えよう。あの日誌に書いていた、俺の言葉をもう一度…………


 俺の……いや、俺とひかるの、本当の想いを…………


作品名:キミの写真 作家名:アテナ