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キミの写真

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『先生、ごめんね? 先生は心配してくれたのに、僕は自分の事ばっかりで……』


 そんな……自分の事ばかり考えていたのは俺の方だろう……。軽率な言葉で傷つけたのは俺の方だろう……!


『僕の口から伝えたい、って書いたけど、やっぱり僕の口で――言葉で話したいです。“あの場所”で待ってます。無理に来てくれ、だなんて言いません。それでも……待ってます。唐突にごめんなさい。―――ひかる』




 想いが止まらなかった。想いを止められなかった。


 愛しい。ひかるが―――彼女の全てが狂おしい程に愛しい。彼女の容姿など些細な理由。俺はひかるのこういうトコに惹かれていたんだ。

 思えば、俺達はすれ違っていただけなんだ。自分の事を考え過ぎていた? 違う。

 俺達は、『相手の事』しか考えていなかったのだ。『相手の事』を考えても、『二人の幸せ』について考えていなかったのだ。




 ―――行こう! ひかるに会いに。俺も伝えるんだ、自分の気持ちを……!


 手紙を丁寧に折り、袋に戻す。そして愛車に向かって走り出す。折角のプリンが、崩れてしまわぬように気を付けながら。




 目指すは、あの忘れられない場所。


作品名:キミの写真 作家名:アテナ