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キミの写真

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 単調なチャイムの音が響く。今更何を言うこともないHRは、それが終了の合図となった。

 簡単な挨拶を済ませ、生徒達は蜘蛛の子を散らしたように解散した。落ち着きが無いと言うか、何と言うか……



「先生さよーなら!」


「おう。また明日な」



 幼稚園児のような声を掛けられ、俺はテンプレートの返事をする。

 こんなやり取りも、あと少しだけなのかと思うと寂しいな。なんて、柄にも無いことを考えてみたりする。


 洩れた溜息は俺の心を如実に表していて、卒業式までの面倒臭さを再確認させた。



「どうしたんですか?」


「ん? あぁ、ひかるか……」



 ぼうっと突っ立っていた俺を見上げるように、彼女は居た。

 秘密裏に付き合って日が経つが、未だに掴めない所がある。


 まあ、そんな所もイイんだけどな?





「先生が考えてるコト、当ててみせましょうか?」



 ひかるは悪戯っぽい笑みを浮かべ、微笑む。それはいつもと変わらない優しいもので

 自然と、俺の口も緩んでいた。


作品名:キミの写真 作家名:アテナ