キミの写真
「先生……ちょっと、いいかな……?」
真剣な表情で俺を見つめる上之宮。垣間見える感情。洩れだしている想い。
この子は、俺を……。
「先生、あのね……」
違う、想いが溢れているのは上之宮だけでない。
…………俺もなんだ。俺も、自分自身の想いを止められない。整理がつかない、俺には、選ぶ価値なんて無い。
「私ね、ホントはずっと……」
叫び出したい。俺はそんな男じゃない! 俺は最低な男なんだ!! と。そして、逃げ出したい。誰も哀しませたく無い。
「ずっと……先生のことが…………」
上之宮は良くできた子だ。容姿も良いし、性格も良い。それに友達思いだ。高嶺の花。
そんな彼女が、俺の事を好いてくれている。ここまできて、それに気付かない程、俺は鈍くない。 正直、嬉しい。かなり嬉しい。
それでも……俺は…………。