キミの写真
堂々巡りの思考は止まず、廻る意識は泡のよう。
毎日毎日、繰り返しの日々だと言った、あの時の俺を殴りたい。こんな後悔、繰り返したくはなかった……。
ただ無味乾燥な日々を繰り返すことに、何の意味があるのか。
時間は止まらない。後悔は先立たない。残るのはただ一つの結果。
――ひかるを失ったという、ただそれだけの結論。
毎日を機械的に過ごした。授業も、仕事も、流れるように、流れに身を委ねるように。
そうしないと、壊れてしまいそうだった。ひかるが俺に向けてくれていた笑顔を、俺ではない、誰か違う奴に向けていると考えただけで胸が痛んだ。
……本当に、今さら。無くしてから気付くなんて、漫画じゃあるまいし。
ああそれでも、認めよう。遅すぎる理解。遅すぎる認識。けれどそれでも、確かに分かった。
――俺はこんなにもひかるを、想っていた。
「……せい、先生!」
ハッ、と顔を上げる。放課後の職員室。目の前には日直の日誌を届けに来た女生徒がいた。
「先生、大丈夫?」
「……あ、ああいや。悪いな、平気だ」
言って、心配そうな表情を浮かべる生徒から日誌を受け取る。