キミの写真
◆
「じゃあ先生、お大事に」
保険の先生から労いの言葉を貰い、俺は保健室を出る。
ひかるが授業に戻ったあと、俺はずっと保健室にいた。
時間はもう、五時を回っている。身体の熱は下がったはずなのに、何故か身体が重い。
――私がいないからって、泣いちゃダメだよ――
ひかるの言葉が胸に刺さる。
――どうして、引き止められなかったんだ――
未だに俺の胸中は、後悔でいっぱいだった。
「ひかる……」
――ごめん。もう泣きそうだよ。お前の気持ちに、気づかなくって、本当に――
「……ごめん。ひかる……」
つい口にしてしまう。
目頭が熱くなる。夕焼けが眩しいせいだろ――
そうとでも考えなきゃ、やってられない。
行き先をなくした俺の身体は、何故か屋上を目指していた。
倒れたばかりのくせに、無駄な運動をしている。
――ひかるにバレたらまた怒られるかな、なんて、そんなことを思いながら――