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キミの写真

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「じゃあ先生、お大事に」


 保険の先生から労いの言葉を貰い、俺は保健室を出る。


 ひかるが授業に戻ったあと、俺はずっと保健室にいた。
 時間はもう、五時を回っている。身体の熱は下がったはずなのに、何故か身体が重い。



 ――私がいないからって、泣いちゃダメだよ――



 ひかるの言葉が胸に刺さる。


 ――どうして、引き止められなかったんだ――


 未だに俺の胸中は、後悔でいっぱいだった。


「ひかる……」


 ――ごめん。もう泣きそうだよ。お前の気持ちに、気づかなくって、本当に――


「……ごめん。ひかる……」


 つい口にしてしまう。


 目頭が熱くなる。夕焼けが眩しいせいだろ――


 そうとでも考えなきゃ、やってられない。


 行き先をなくした俺の身体は、何故か屋上を目指していた。


 倒れたばかりのくせに、無駄な運動をしている。


 ――ひかるにバレたらまた怒られるかな、なんて、そんなことを思いながら――



作品名:キミの写真 作家名:アテナ