キミの写真
ありがたい。寝ていたおかげでかなり楽になったとはいえ、固形物よりはゼリーやプリンの方が喉の通りもいいだろう。
それに何より……ひかるが俺のためを思って作ってくれたのが、すごく嬉しい。
勝手ににやけてしまう頬を押さえながら、ひかるの持つトレイからプリンの乗った皿を取る。
ぷるぷると揺れる柔らかそうなそれを、ひかるから受け取ったスプーンで切り崩す。
うむ、柔らかい。スプーンに乗ったそれを口に運ぶ。卵の優しい甘さとカラメルソースの濃い甘さが絶妙にマッチしている。
「うん、美味い」
「ホント！？ 良かったぁ……」
俺の言葉に胸を撫で下ろすひかる。馬鹿だな、マズいはずがないだろう。
お前が作ってくれたものなら、何だって美味いに決まってるさ。
「えっへっへー、こう見えても料理は得意だからね。プリンは初めてだけど、良かったよ」
エヘン、と慎ましい胸を張るひかる。そんな姿が可愛くて、思ったことが素直に口から出た。
「ああ、きっとひかるはいいお嫁さんになるな」
――他意はなく、意識もしていなかった一言。
けれどひかるはその言葉を聞いて、ボッと顔を真っ赤に染めた。