キミの写真
電子音のチャイムが校舎内へ響く。
もう次の授業がはじまるな……。
「俺はもう大丈夫だから、ひかるは教室に戻ったらどうだ?」
「僕としては先生から離れたくないんだケドなぁ……」
口を尖らせながら嬉しい事を言ってくれる。が、流石に無理。
教師の立場上サボらせる訳にはいかない。
どうにかひかるを説得し、次の授業へと向かわせた。
安心したせいかクゥと軽く腹が鳴る。そういえば今朝も朝食抜いたんだっけ……。
倒れた理由には空腹も入っている気がする。
……腹へったなぁ。
そんな事を考えていたら、唐突にやってきた睡魔にまたも身を委ねていた。
―――
タッタッタッ…
微かに聞こえる軽い足音で目を覚ます。
ガラガラと引き戸が開く。そこには、ひかるが立っていた。
――何故かジーンズ生地のエプロン姿で。
……ああ、家庭科の授業だったのか。
しかし……ひかるエプロン似合うな……。
「はい先生。これ食べて元気出して♪」
差し出されたのは手作りのプリン。弱ってる時のプリンの破壊力は抜群だ。それが空腹なら、尚更。