キミの写真
「はは、小学生みたいだな、俺」
飯を食え、しっかり寝ろ。どう考えても、教師が生徒に頼まれる内容では無い。自分がどれだけみっともないのか、改めて実感。
「そーだよ! 先生子供すぎるんだよ。僕なんて昨日十時には寝たよ?」
「……それこそ子供じゃねえか」
「ん、確かに……そうとも言えたり……」
二人でクスクスと笑い合う。
それだけで幸せになってしまう俺がいる。ひかるが居るだけで安心してしまう俺がいる。
保健室を暖かな空気が支配していく。不思議な事に、ひかると触れ合ったあの瞬間から、体が少し楽になっていた。
なんて言うか……溢れているんだ、ひかるの体から。彼女の想い、感情、全てが溢れている。
彼女が笑えば、その波とも言える『なにか』が、俺を幸せにしてくれる。彼女が泣けば、俺も悲しくなる。彼女が怒ったら……俺も怒れる訳では無く、申し訳なくなる。
今回も、その『なにか』が俺を助けてくれた、そうに違いない。だってさ、今、俺、幸せだぜ? 楽しいぜ? この幸せがずっと続けば良い、って本気で思う。
それは、やはり彼女が―――ひかるが笑っているからなのだ。
俺の幸せはひかるなんだ。