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Under the Rose

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『でもね、不思議なことに自分には扱えるんだ。手も焼けやしないし、気分も悪くならない。まるで刀が持ち主を選んでいるみたいだ』

あいまいな憶測で済ますには、あまりにも具体的なキーワードが多すぎた。
「……そんな。そんなこと」
「真、貴方この事について何か知ってるの?」
「いや、でも……」
表面に現れていなかっただけで。
ただ、それだけで――
彼女は、沙耶はずっと刀の現実離れした力に蝕まれていたのだ。
影響に気付いてもなお、それを強い精神をもって内に押さえ込んでいたのか、はたまた本当に気がつかなかったのか。
どちらにせよ、その醜い傷は今はっきりとした形で表へ浮き上がった。
目に見える部分ではなく、沙耶の場合は内部に――その影響が現れていたのだ。

その後、数日と経過しても沙耶は一向に目覚めなかった。ただただ、死んだように眠り続けた。
少しずつ迫っていたもの――――形の見えない闇が、確実に三人を覆っていく。


作品名:Under the Rose 作家名:桜沢 小鈴