オーロラのたなびく地で。
レニィは私のわがままを快く聞いてくれた。
「ごめん、私運動オンチだしさぁ、オマケに方向オンチだし」
彼女の家の納屋の中、あるものを探していた。
「まぁ確かに、あなた一人で雪山行くのは自殺行為だもんねぇ」
ぼやきながら彼女は、棚の奥から埃に埋もれた長い袋を取り出した。
それは…スキー用具。
「ちょ、ちょっと私、スキーなんて出来ないよ!?」
それに私、一日やそこらで滑るのなんか会得できない……焦った。
「大丈夫、クロスカントリータイプだから、斜面とか滑ったりしないよ」
よっこらしょと彼女は、埃まみれの板を私に手渡した。
「クロス…あ、歩く方のスキーだね!」
ようやく私は納得できた。
それから私とレニィは、日取りを決めた。
一応、滑り方とかも教わらなくちゃいけないし、それに雪用の色々準備しなくちゃならない。
そして、決行日は決まった。
…3日後!
作品名:オーロラのたなびく地で。 作家名:taka-taka