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むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編5

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 「自分達育ててくれた作品を足蹴にして……食い物にして、てめーらみたいな実力のない人間、今まで威張ってこられたの、エターがあったからじゃねーか! それがなければただのチンカスも同然のクズの癖しやがって! 作品も支えきれず、会社も守りきれず、権利さらわれても何にも出来ずに、こそこそ逃げ回っていた奴らが、会社同士の手打ちになったら、小汚い歯見せて笑って『ボクちゃんのエター』だと? てめーら、いい加減にしろよっ! エターはてめーらのもんなんかじゃねえ! 作品の権利は会社のもので、作品はファンのもんだ! てめーらは作品、作らせて戴いている単なる下請けだろーが! はっきり言ってやらあ! 何がチーフグラフィックだ! てめーがいなくたって、作品回ってくんだよ! 原画もプロデューサーも同じ! てめーらいなくたって、作品は続いていくんだよ! お客が望む限り!」
 「それを、てめーら、自分がいなきゃ世の中まわってかねえみたいなこと言いやがって! 馬鹿じゃねーのか! 越田も間もいっぺん会社やめてみりゃいんだよ! てめーらの穴なんか若い奴がいくらでにも埋めらあッ! むしろ、うるせーだけ、金ばっかりかるロートルがいなくなりゃ、人件費も節約できるし、会社としては万々歳だっ!」
 芝崎も市原も小娘の激発が恐ろしくて反論ができない。彼らには、作品のために死ぬという気概がないのだ。
 「思いあがってんじゃねーぞ! 作品大事にできねー奴らがこの先生き残れるわけねーだろうが! だいたいパクリばっかりやってる塗り屋風情にシナリオの何が分かるんだよ! 分かってねえが、偉そうに外注を善導してやるってか! いい加減にしろよ、このタコッ!」
 あまりの剣幕。あまりの風圧。市原も芝崎も逃げ腰になっている。
 「おい、市原ッ! てめー、間の野郎、今、ここに呼べッ! 早く! あのクソ野郎に電話入れろ! 今すぐだ! 今すぐに戻ってくるように言え! 説得じゃない、命令だ! あいつがラーメン屋に飯食いに行ってんの、こっちも知ってんだよ!」
 小娘は机をがんがん拳で殴る。
 「い、いや、それは……」
 脅迫に市原は真っ青になった。
 「できねーのか? ああッ? できねーのかよ! てめー、エグゼクティブなんだろッ! ちげーのかッ?」