除霊師~藤間道久の物語 1・藤間道久(1
今はメイド服を着ているが、チャイナドレスやナース服、どこから購入したのか婦警やCAの制服。
とどめにファミレスの制服のオンパレード。有名店からめったにないようなところまで完全網羅しているのだから困りもの。
その入手経路はまったくもって不明なのだが、藍○とか松○とか吉○家とか、そういうのは本当にどこから入手してるんだろう…。
「もしかして、私の採用理由ってソレが目的なんですか?」
「そう、って言ったらどうする?」
「嫌です!」
そりゃ嫌だろうな。
悠希さんは満面の笑みで、亜理紗さんは半泣きで自分の感情をあらわにしていた。
ま、これが俺の、いや、俺たち三人の日常生活だ。
ちょっと自重して欲しい面はたくさんあるけれど、それはそれでいいのかな、と最近妥協してきている自分がいるのも事実だったりする。
亜理紗さんはお馬鹿なやりとりもほどほどに、買ってきた食材や諸々をキッチンへ運び入れ、
悠希さんと俺におやつと紅茶を淹れてきてくれた。
今日のおやつは昨日の残り物である亜理紗さん特製アップルパイと、紅茶はアッサムのミルクティーだ。
亜理紗さんのアップルパイは今まで作ってくれた数々の調理物の中でもトップ3に入るくらいに美味しい。
林檎の煮詰め方からすでに気合いが入っているくらいなのだけど、隠し味にシナモンではなくはちみつを
使ってくるところがまた変わってるのだけど、美味しいのだ。
まあ、相変わらず何かが足りないのだけど・・・。
アッサムも濃くて甘みがしっかり出ていて、ミルクティーにちゃんとあっている淹れ方をしてくれている。
さすがはメイドさん!俺が悠希さんのところに来てから何人もの使用人が来ては去って行ったけれど、
ここまでほぼ完璧な(一味足らないけど)料理が出来る人はいなかった!!
去っていく理由は、目の前で馬鹿みたいにアップルパイをブラックホールのごとく租借していくこの色魔の性(せい)なのだが、
亜理紗さんは半年かけてその趣味に少しずつ染まってきているので、結婚して家庭を持って退社するまでは残っていただきたいものだ。
その間に俺はその技術を盗んで行きますから!!
悠希さんの料理の出来なさと言ったら、ぱないので、使用人のいない期間は自分が料理を作るようにしていた。
おかげで料理の腕はかなり上達したと自負してるし、このとんでも色魔は自分が料理出来ない割りには、
作品名:除霊師~藤間道久の物語 1・藤間道久(1 作家名:ガチャタラ