マジェスティック・ガール.#1(15節~21節)
「えー。好奇心で、違うものに変化させられたり、意識を乗っ取られたり
したら、たまったものじゃありませんよー」
「ごもっともだ。そういうのって嫌だよな。不気味だよな?追っ払いたいよな?」
「はい」
「連中が目をつけたのはそこさ。俺たち人類が持つ潜在的な忌避衝動。
異物に対する過剰な排他性と攻撃性に目をつけたんだ」
「なんの為にです?」
一瞬の沈黙。その時、ガクンと機体が揺れた。
高速艇が、発射用カタパルトに固定された音だった。
「そりゃー…これから分かるさ。その目で見ればな」
「むぅー。もったいぶって意地悪です、ヒューケインさん。
ここからが面白そうな所なのに…。でも、コミュニケーションも取れない
のに、アクトゥスゥの生態や性質、よく分かりましたよね。我々、人類も」
「まぁな。流石に、三百年間も連中とやりあってるんだ。人の知恵を
侮ることなかれ。その生態も大体は調べがついて、解明できているのさ」
作品名:マジェスティック・ガール.#1(15節~21節) 作家名:ミムロ コトナリ