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キミがいるセカイ 『子どもとお月さま』

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 冬の21時はかなり寒い。白い息を吐きながら、家まで15分の道のり。

 間髪入れずに、今度は後ろから千恵の大きな声。
「かーちゃん!大変!お月さま、半分こになってるぅ!」
 見ると、暗闇に浮かぶきれいな半月。
「あ、ほんとだ。」
「何でなの?誰と半分こしたの?」
 後ろを振り返らなくとも、千恵が目を輝かしているのが分かる。
「えっと、えっと。鬼さんが半分食べちゃったのかな。」
「えーっ!やぁだぁー!」
(あら、いまいちだった?)

 続いて竜輝。
「かーちゃん、お月さまずっとついてくるー!何でー?」
それを聞いた、千恵もおおはしゃぎ。
「何で何でー?千恵ちゃんに、ついてくるーっ!」
 二人が、ガハハハと大笑い。
「お月さまも、竜輝と千恵ちゃんのおうちに行きたいのかもよ。」
「えーっ、おうちに来るの?」
「来てもいいよー!」
 シンと静かな住宅街に2人の笑い声が響く。