キミがいるセカイ 『子どもとお月さま』
「ねえねえ、かーちゃん。」
(来た来た。)
まずは竜輝の質問。
「何で、夜は真っ暗なの?」
「うーんと、お日様が隠れたからかなぁ。」
「お日さまがある時は何で『昼』なの」
「お日さまがピカピカしてる時を『お昼』っていうんだよ。」
「でも『お昼』なのに雨の日もあるよ。お日さまないよ。」
(あ、しまった。)
「あー、そうだね。えーっと…。じゃあ、お月さまがない時が『お昼』なのかな。」
「何でお月さまはなくなっちゃうの?」
(ええーっ、知らんし…!)
言葉を探していると、竜輝は自分で答えを見つけた。
「あ、竜輝ねぇ、分かった。お日さまと、取り替えっこしてるんだ。」
「そうそう。そうかもしれんね。」
(よし、乗り越えた!)心の中で小さくガッツポーズ。
(さあ、次は何だ?)
作品名:キミがいるセカイ 『子どもとお月さま』 作家名:柊 恵二