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いつもアナタのすぐ後ろっ!

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カンカンカン………

たまにバイトが休みだからって、家でだらだら過ごすのも癪だから外に散歩に出てみたらこれだ。

目の前に立つ、俺が言った笑えない冗談を「はい、そうです」と言わんばかりに俯いている少女は、制服を着ているところから女子高生か女子中学生ってところか?
少し歪んで見えるがいつものことだが。

「おまえ、それ本気?」

「………はい」

顔を上げ、思いつめた表情で明滅を繰り返す赤いランプを見つめながら少女は答える。

「…………私は」

「…………………」

「自分が怖いんです、人としての感情すべてが無くなっていくような気がしてならないんです」

「……は? 意味が分からん」

「分かってもらわなくて結構です、どうせ私は今から死ぬのですから」

そう言い切り、ソイツは遮断機をまたごうとする。

常識的には止めるべきと言う。
しかし心はそれを面倒だと言う。

あぁ、面倒だ。

けど

「待てよ!」

俺の価値観がそれを許してはおけなかった。

「…………まだなにか? 早くしないと乗り過ごしちゃうんですが?」

足を止め、半身だけ振り返りこちらを見つめる少女。

「お前がなにを無くそうが、お前が何で死にたいのかはもうどうでもいい、だけど一言だけ言わせろ」

「…………はぁ」

俺はやかましく注意を促す踏切の警告音に負けないように大きく息を吸い込み、

「甘ったれんな!」

と腹の底から叫ぶ。

「………っ」

「お前一人だけが死にたいって抜かすほどの絶望を味わったとでも言うのかよ!?」

「な……なにが言いたいんですか?」

「この世界には明日を生きられないような命がいくつもある、明日も生きられるか分からず絶望の中で死んでいく人間だっている! そんな不平等な世界の中で、先進国っていう恵まれた環境に生きる人間がなにを好き好んで死にに走るんだよ!」

「そんなの私の知ったことじゃない! 私はもう死ぬの!関係ないの!!」

彼女は遮断機を飛び越え、線路の真ん中に立つ。

もう目の前に電車が迫っている、しかも運が悪く特急だ、あの速度じゃ止まる前に撥ねられる。

「……っ!馬鹿野郎!!」

俺は後先考えず、ソイツの後を追って踏切の中に飛び込みんだ。