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ぬるめのBL作家さんに100のお題

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「・・・好きですよ」

犬みたいな丸いまっすぐな目がこっちを見た。涙のたまった、一回り下の男の目。

「俺は教師で、お前は生徒だ。それは明日明後日にはどうにもならない、いわゆる社会的な設定だ。だから今すぐどうこうというのは難しいってのは分かるだろ?お互いの感情があればいいってわけでもない。バレないようにやってくってのは多分どっちにしたって辛い。あ、別にやったことはねぇよ?だから、お前が卒業して俺の生徒じゃなくなった頃にまだしぶとく好きだってんなら考えといてやる」

立場なんてどうでもいい、そんなドラマや漫画のようなことは言ってられない。もう俺だっていい年なんだし、保身に走らざるを得ない。あくまで曖昧な答えが俺の出した答えだった。
どちらかと言えば、嫌いじゃない、みたいな。
どちらかって言ってないけど。

「ええと、」
「だから、卒業まで精々忘れられないようにしろよ?」

苦し紛れに言った言葉の端が吹っ飛んだ。
勢いよく抱きつかれた結果、後ろの壁に頭をぶつけて鈍い音が頭の中にもサラウンドで響く。

「せんせぇー!!」
「いってぇ!」

じわりとスウェットの肩に水分がしみこむ気がした。お前どんだけ泣くんだよ。
すいません、て涙声でまた謝られた。何に対してのことだかもう分からなかったから適当に流した。
こいつが卒業するまでの1年と少し、こんなのが続くのかと考えると先が思いやられるが、まぁ悪くもないかな、と思っているあたり絆されはじめているということだろうか。