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BAM

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「あぁ~2週間ぶりのシャワー最高」
そう言って、胸元からバスタオルを巻いた門前さんが恥ずかしげもなく表に現れた。
門前さん、はしたないから服着ようね。
亜っちゃんは見るな。
「飛鳥。服ぐらい着てこい」
ナイスバディの門前さんをきっちりと見ながら亜っちゃんはそう言ってのけた。
見るなよ。
「えっ、だって服洗濯しちゃったし。アレしか無いし」
そう言い放ち、どっかとベンチに腰をおろした。
「ああ、解った。俺の新しい服持って来るから、それでも着ていろよな。まったく」
そう言って立ち上がった亜っちゃんに向け。
「オーナーの服、でかいんですけど…まあ、無いよりはマシか。なら、パンツもよろしく」
何の躊躇もなく言いのけた。パッパンツって…門前さん女の子でしょ。
「ああ、了解」
軽く手をあげアパート内に消えた。何の戸惑いもなく。変だよみんな。

「よしっ、着替えたら今度はお前らを洗ってやるからな、待っていろ」
門前さんが、ワンニャン子らに顔を近づけ言い放った時、胸元から手帳らしき物が地面に落ちた。

なぜそんなところから…見ると、日本国と書いてある。
それは、風に吹かれハラハラと捲れた。
ん、写真?よく見れば門前さんらしい。
けれど、嫌違うよね。
だって男の子みたいだし、今の門前さんじゃないような。

「おっ、パスポートじゃねえか。それ、見つけたのか」
服を持って現れた亜っちゃん。ほれっ、と服を手渡しながらパスポートなるものを拾い上げる。
「ありがとう。そう、唯一見つけたモノがそれ。誰かが見つけてくれて解り易い場所に置いといてくれたみたい。あとはわかんない」
服を受け取り膝元に置くと、亜っちゃんが拾い上げたパスポートを見つめた。
と同時に、着替え始めた。こらこら、さすがにマズイよ。

「おいっ、あっちで着替えろよ。そういうとこはほんと男だよな」
亜っちゃん正解。
「あっそう。あたしは気にしないけど」
「こっちは気にするわ。風邪ひく前に着替えてこいよ。ったく」
「あらそう。ほほほっ」
と言い放ち門前さんはロビーに消えた。
本当に何を考えているのやら。
帳の背中がヒュってなったよ。

作品名:BAM 作家名:槐妖