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看護師の不思議な体験談 其の十二

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「杉川さん、足音マジでうるさいっすよ。」
 後輩Kさんに、若干キレられた。
「ごご、ごめん。」
 いつもなら、『あんたの口のほうがうるさいんだけど』と言い返してやるのに、そんなことを考える余裕も無かった。
 さっきの出来事を後輩に話すと、ニヤリと笑われた。
「それ、絶対、アレですね。狙われたんじゃないっすか。」
「えぇー、もう嫌だー…。」
 泣きそうになっていると、先輩Nさんがニュッと現れた。
「そんなことでキャーキャー言うな、いい歳して。」
「し、失礼な…。」
 まだまだ若い気分でいたいのに。
「霊感なんてさっぱり無いくせに。扉も中途半端に開けてたから勝手に閉まっただけだよ。昼間もよくあるだろうが。」
「あ、そうですね。」
(肩は完全に重かったんだけど…。でも、きっと夜だから怖かっただけなんだよね。)
 Nさんに言われ、少し安心。
「それよりも、杉川、新生児室の鍵、開けっ放し!」
「あぁっ、そうだった。すんません。」
 同僚とのやり取りで、結局その場は話が流れてしまった。