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炉黒一琉の邂逅

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 高校生活は楽しかった。普通に部活動に熱中し、普通に恋愛をし、普通に青春をしていた。普通と言うのは人並みと言うこと。僕は人の並以下でも並以上でもない。ただの並だ。
 それじゃ今の生活はどうなんだろう。
 こうして過去を振り返り、人生を振り返り、ふんぞり返る。素晴らしいじゃないか。考えることが出来る――ことは人間の生きて行く上での活力にもなる。
 生きるために人は考える。考えて必死になって、また考えて。
 素晴らしいことじゃないか。想像を巡らせ、妄想に浸り、夢にもがく。人間の特権じゃないか。その全てが活力へと変化していくのだろう。少なくても僕はそう思う。
 では、ひと段落がついた所で。
 今、正にこの現状について考えてみよう。
 その一。自宅までの知る人ぞ知る近道である人気の少ない一本道。
 その三。時間にして深夜二時を回ったと言った所だろうか。
 その三。今僕の前には、鼓膜を破るのが目的なんだろ、と聞きたくなるような爆音マフラーにカスタムしてあるであろう黒塗りのアメリカンバイクが一台道を塞いでいる。
 その四。そのアメリカンバイクのライダーは以外にも細身で、全身ダークトーンの服で身を固め夜と同調している。勿論、体は僕の方へと向けられている。
 その五に行く前に少し話しかけておくことにしようと思う。所謂、保険ってやつだ。怖気づいていた瞬間に負けは決定してしまうからね。
 「やぁ、こんばんは。君の名前は? おっと名乗る時は自分からだっけ? 僕の名前は炉黒一琉。よろしく頼むよ」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 無論、返事など在りやしない。ライダーはピクリとも身体を動かそうとはしなかった。動かざること山の如しとは良く言ったものだ。
 「ハーイ、ユーアー外国人?」
 今度は英語になっていない英語で話しかけてみることにした。馬鹿丸出しもいいとこだが状況が状況だ。何て言ったって相手はアメリカンバイカーなのだ。十中八九日本人とは言い難いだろう。ま、もし仮に日本人だったら神経を逆撫ですることになるのだろうけど、この場合は仕方ないだろう。
 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 どうやらライダーの神経を逆撫ですることにはならなかったらしい。しかし、どうにもこうにも沈黙を貫き通されたら展開がないってものだ。展開がないものなんてつまらない他ない。
作品名:炉黒一琉の邂逅 作家名:たし