小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編4

INDEX|28ページ/50ページ|

次のページ前のページ
 

 本家のエターはキャラクターが会社を潰して、途方に暮れた社員達の人生と重なっている。お金というものに苦しみ、振りまわされた社員の人生がそのまま作品となっている。だから、重みがある。その重みは必ずお客に届くはず。
 「書いてて楽しいのはタイニーのほうだけれど……」
 作品自体はタイニーのほうが作りやすい。キャラは奔放で、やりたい放題。まるで生まれたばかりの子供のように天衣無縫。
 愛されるキャラは……多分、タイニーのキャラ。
 けだし、スタッフに愛されない作品はお客に愛されることはないのだ。
 「……もうちっと、作業しとくか」
 小娘は言った。
 姉が帰って来るまでまだしばらく時間がある。だとすればもう少し先にシナリオを書き進めておくか。
 「えーと……だったら、タイニーのほうを……」
 小娘は姉が使うデスクトップのパソコンを放り出して、自分のノートパソコンに向かった。
 
○タイニー・エター シーン51 あかりの告白 場所 海岸 時間 夕刻 ■花世
//立ち絵 あかり
あかり「……」
恭介「どしたん? こんなところで……」
あかり「……うん」
 あかりはちょっと元気がない。
 自分よりも馬鹿だと思っていた浩平がちゃんと将来について考えているのがよほどショックだったのか……。
あかり「キョースケ……コーヘーは卒業したら実家の和菓子屋の跡をつぐんだって」
恭介「そうみたいだね」
あかり「サッカーは……身長が足りないからやめっちまうんだって」
恭介「聞いてるよ」
あかり「京都の老舗和菓子屋に修行しに行って……」
恭介「……」
あかり「……でもさ、そんなの、おかしくねーか?」
恭介「どうして?」
あかり「そんな……自分の限界見えたから、もうサッカーはやめるなんて……そんな、いきなり方向転換するなんて」//不満
恭介「……」
あかり「私だったら最後の最後までサッカーやると思うんだよな。いいじゃん誰に何言われたって」
あかり「そんなにサッカーが好きなんだったら最後まで食らいつけばいいんだよ。最後までやり続けて。最後まで追い続ければ」
あかり「私だったら和菓子屋なんか絶対に嫌だ!」
恭介「……」