むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編4
うちの学校の女子ハンドはすごく強くて……県でもトップレベル。そんな連中が警察のご厄介? どして?
桜「居酒屋で大騒ぎして……三年の追い出しがあったから。おとといの土曜日っス」
恭介「……」
桜「そしたら、先輩の一人が急性アルコール中毒になってしまって……」
恭介「……」
桜「病院に運ばれて。血圧が異常に低下して。それで警察とかも来て……で、全員、べろべろで……飲酒がばれてしまったス」
恭介「……西片さんは……西片さんは、その、警察には」
桜「パクられなかったっス。追いコンの日、母さんが病気で。で、買い物とかしなきゃいけなかったっスから」
女子ハンド……。
なんかすごい連中だよな。酒食らって病院直行……どこのオヤジだよ。
桜「とりあえず二年の先輩は自宅謹慎っス」
恭介「そりゃそうだよね……」
桜「退学にはならないみたいですけど、停学一週間とか……」
恭介「……ハンドボール部は?」
桜「特に処分はないッス……」
恭介「そうなんだ……」
桜「けどレギュラー含めて、主要選手が十五人もいなくなってしまったっスから、実質、崩壊っスよ。今、まともに活動できるの私含めて三人っスから」
恭介「三人じゃ……試合はできないよね」
桜「問題外っスよ」
こんなとき……どういう慰め方をしたらいいんだろうか。
単なる事件事故だったらともかく、身から出た錆びなわけで。
なんかすごくビミョーなんだよなあ……。
○本家エター シーン60 ありすとの会話 場所 駅前 時間 夜 ■一矢
//立ち絵 ありす
ありす「ふーん。霧子先輩、退学届けね……」
総太「……うん」
ありす「また、いつものことだけれど、どうでもいいことに首突っ込んでのね。馬鹿馬鹿しい」
総太「確かにそうなんだけれど……」
ありすはいつもそうだ。
他人のことはどうでもいい。他人は他人でやっていく。個人主義者、なんだと思う。
ありす「だいたい、あんたが首突っ込んで、何か状況、変わんの?」
総太「うーんどうなのかな……そう言われると、多分無理っていうか
ありす「多分じゃなくて、絶対っしょ」
総太「……」
ありす「総太。一応、言っとくけど、こっから先はあんたにはどうしようもいないことよ」
総太「……」
作品名:むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編4 作家名:黄支亮