むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編4
校長「はい。学費のことで学校に迷惑をかけてしまうかもしれないと……ですから先回りして退学をしようと」
総太「……」
校長「プライベートなことですから本当であれば、話してはいけないことですが、君は別です。君は平さんのナイトですから」
総太「……そんなんじゃないですよ。それは買いかぶりです。校長先生。ボクはナイトなんてガラじゃないです。そんなに偉くもないですし……」
校長「では偉くなってください」
総太「……」
校長「偉くなって、平さんを支えられるそういう人物になってください。それこそが君の役目なのです」
総太「……」
校長「自分のために。そういうことを言う人が世の中にはあふれている。自分のため。自分のため。自分のため。でも……自分のために行うことはその時点で曇るのです」
校長「どんなに方向が正しくても自分のためでは曇る。それは我欲というのです。我欲では人間は自分の力以上のものは出せない」
校長「けれど……人のためであれば、人間は自分の持っている力以上の力を発揮するのです。いいですか。誰かのために。誰かのために。誰かのために」
校長「鈴木君。生きなさい。誰かのため。一度でいいから誰かのために。そうすることが君のこれからの人生の糧となる」
校長「そして、君が知っているように平さんは、君が奮起するに値するレディですよ」
○タイニー・エター シーン49 桜の悩み 体育館 時間 夕刻 ■花世
//立ち絵 桜 ジャージ
桜「……あ、あの、先輩……知ってるかもしれないっスけど……」//疲労困憊
西片さんは話しかたがちょっともっさりしているんだよな。
恭介「?」
桜「ハンドボール部は……もうダメかもしれんです」
女子ハンドボール部で何かごたごたがあったことは聖司に聞いている。今日は生徒も何人か来ていなかったみたいだし……どうなってんだ、いったい?
日比谷先生も状況がよく分かってないみたいだし……。
恭介「ええとさ……何があったの、いったい?」
桜「どうって……」//言いにくい
恭介「……?」
桜「その……警察にパクられてしまって……」
恭介「へ? パクられる? 誰が?」
桜「だから、ハンドボール部の部員……二年の先輩全員」
恭介「え? そうなの? な、なんで?」
作品名:むべやまかぜを 風雲エターナルラブ編4 作家名:黄支亮