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灰かぶり王子~男女逆転シンデレラブストーリー~

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 彼は、過去10年の新しい項目を見つめていた。
 世界は5つの大陸から成っている。シャイン大陸はその中でも2番目に大きい大陸である。また、1番歴史ある大陸でもある。そのシャイン大陸には4大王国というものがある。シャイン大陸最大にして人口最多のリリアン王国、運河があり商業が盛んなコレック王国、戦争で領土を増やしていった軍事国家アケミア王国、ここ300年ほどで段々と栄えてきたペテロアーヌ王国の四つである。
 8年前までは5大王国であった。もう一つはミッディール王国といって8年前に滅んだ亡国である。ミッディール王国はそれなりの領土を誇っていて、国民が王家に不満を抱くこともないとても平和な国であった。最下級身分の庶民ですら、王家を崇高していたし、王家の人間たちは国民に無理な課税を強いることもなく、ただひたすらに平和な国だった。
 そんな国が滅んだ理由は、勿論市民革命などではない。隣国の民の暴動であった。
 一般教養として、否、一般常識として彼はその事実を知っていた。
 そして同じく一般常識として、ペテロアーヌ王国の第一王子がその前の年に暗殺されたことを知っていた。
 シャイン大陸の5大王国は世界的にも有名だ。その5大王国の大事件が2年連続で起こっているという事実は、その裏に何かあるのではないかと疑いたくなる。
彼も、その1人であった。
 だから彼はこうして、司書以外誰もいない城の図書館で1人、重い本を読んでいるのだ。
 自分が見逃しているもっと重大な史実があるのではないかと。
 歴史書だけではやはり足りないのだろうか。シャイン大陸の伝説だとか言い伝えだとかの本も探すべきだろうか。
 彼は自分の本来の職務を忘れ、その後3時間程図書館で過ごした。