水槽
あまりの恐怖に僕は叫んでしまう。
もしかしたら次は僕が……?嫌だそんなの絶対に嫌だ!。
ああ、僕はなんて愚かだったのだろうか。
叫んだことを後悔しても遅い。
「おいガキが忍び込んでるぞ!」
「とっとと捕まえろ!」
僕は急いで駆け出す。
裏庭へと繋がる階段を目指して。
その時階段へと続く道をシャッターが閉ざそうとしているのが目に入った。
間一髪のところで間に滑り込む。
もしあと一秒でも遅かったら?
嫌な想像を頭から振り払って僕は走る。
中庭に出て校門をくぐる。
校外に出ても僕は走るのを止めようとはしなかった。
だって背後で誰かが追ってきている気配がするから。
だからどんなに疲れても走るのが止められない。
少しでも走るのをやめたらそれで僕の人生は終わりだと思ったから。