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無題Ⅰ~異形と地下遺跡の街~

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Episode.7 物語



「結局、どういう事なんだ」

場所を変え、先ほどの無駄に白い部屋に戻ってきた鬨とヴェクサは向かい合って例の椅子に座っていた。座る部分が丸くなっているこの椅子は案外座り心地がいい。
背もたれに背を預けてそう聞いた鬨に、ヴェクサは一瞬言葉を探すような素振りをする。

「つまり、お前が見た「あれ」はあの瓶みたいなのの中に入ってた「人間」の「成り損ない」ってことだな」
「・・・俺が見たのはもっとでかかった。あと色も黒かった」
「問題はそこだ。そいつは外に出てだいぶん経ってるな。でかかったっつーことはたぶん2、3人は喰ってる」
「・・・人を、喰うのか」

「あぁ」とさらりと答えたヴェクサだが、その顔は悔しそうに歪められている。

「知らないか?この街にはいろんな古い童話・・・つっても子供に聞かせていいような話でもないような気がするが、そういう話がたくさんある街なんだ」
「いや、・・・・初めて聞いた」
「まぁ、よそから来たんじゃしょうがねぇよな・・・その話の中にな、今起こってる現象に似たような話があるんだ・・・語りはあんまり得意じゃないんだが・・・それでもいいんなら聞かせてやるよ」
「、聞かせてくれ」

そう言った鬨に、拙くだがヴェクサは静かに語りだした。