看護師の不思議な体験談 其の九
どうやら、患者様は霊感がとても強いそうで、入院するとなった時もだいぶん駄々をこねて、入院を拒否し続けていたらしい。どうしても入院せざるを得ない状況になり、知り合いの霊媒師に電話をし、いただいたシャツが、今着ているシャツだそうだ。
(はぁ、よう分からんけど、大変そうな人生だ…)
私が怖いと感じたのはここからで…。この入院している大部屋が霊の通り道だそうで、毎晩目にしてしまう。それだけなら、いつものことなのだそうだが(それもすごい…)、日に日に部屋を通る霊の数が増えてきた、
「入院して初めて他の部屋を見に行ったら、その霊たちがいるのよ!通り抜けてるだけかと思ってたら、違うのよ!部屋にとどまってるのよ!何なのこの病院!」
声を荒げる患者様。
(えぇ~…、どうしたらいいんだ、こりゃ)
まあ、もう医師と相談して退院か転院かしてもらうしかないか、と、考えていた時、患者様は何か思い出したのか、突然どこかに電話をかけ出した
「もしもし!助けて下さい!」
(えっ、どこに電話してんの?まさか警察とかじゃないよね??)
会話の内容を聞くと、話題に出た霊媒師にかけているようだった。
作品名:看護師の不思議な体験談 其の九 作家名:柊 恵二