前世だかのメイキング
こんなParty はいらないな、と思いました。
しばらく、書いてる場合じゃないな、と思いました。
帰宅難民のために椅子並べたり、開放されてる避難所の案内したり、お巡りさんにそういう情報提供したりと、ボランティアをしてから帰宅しました。
都内、ニュースに上がらない避難所とか自主的に作られてたんですよ。
手伝って、褒めてもらって照れて逃げたのは増上寺です。(逃げんなよ、炊き出しの手伝いまでしろよ・・・。後悔。インフルの親父に会った後のうえ風邪っぽかったからってのもあったけど。)
会社で一夜を明かすのは嫌でした。出来ることがあるのに、なんで篭ってなきゃなんないの、と。
だから街に出ました。助けられる側には回りたくなかった。そういう欲です。
今しかない非日常を憶えて、子供たちに語り継がせたかった、そういう欲もありました。
自分は酷い人間の自覚があって、そのくせ他人様に助けられたことがたくさんあって、その負債とか恩を社会でも見ず知らずの人でも良いから還元したい、そういう欲が強いのです。
まあ、悩みましたけど。そんな理由で街に出るなよって。でも良いことは良いという結果しか必要としないから、いいや、と勝手なことを思ってました。
コンビニの、残ってた東北限定のおにぎり食べながら、家でこれから作品をどうしようかと思いました。
ノベリストさんは、作家さんレベルで活動自粛傾向がありましたね。
自分もそれに倣いました。電気勿体ないし。
テレビ壊れてるからネットの情報収集が中心でしたが。
結論から言うと、非情なことですが、書き続けました。
日常は、誰がどうであっても変わらない。非日常さえ日常なのだということは、それまでの人生で身に染みてました。
自分が死に掛けてたときだって、周囲の日常は変わらない。
八つ当たりしたい不幸に沈んでたって、それは変わらなかった。
変わらないことが、大事だったこともあった。
だから、ではありません。
やっぱ、書き上げたかった。欲がありました。
あとちょっとで、初めて連載書き上げられるかも、というのは、欲です。
読んでくれる人がこの震災でいないかも、と思っても書き上げたいという欲です。
ただ、日常が変わらないという現象に、自分が作品を書くことは埋没できるんじゃないかと思って書きました。卑怯者です。
それでも。悼んで7日ほどは自粛してました。
書くということは5日くらいで決めました。
ちょうど、ノベリストに作品が少しずつ上がり始めたのも7日前後だったと思います。
で、よそ様の作品を見て、キーボード打ったら、ちょっとずつ書き続けられました。
でも、動揺があったんでしょうか?
電波だーとさんざ喚いていたんですが、書いてて違和感があって。
そのうち、佐助さんが動いて違和感も消えたけど、あんな終わり方になって(涙)。
もっとさあ、爽快に終わりたかったよーというのは、書いてる人のわがままでしょうか・・・。
作品の第一の読者は作家である、というのがわかる瞬間です。
読み手として、書いてる人はブーイング飛ばしてます、今も(苦笑)。
いいんですけどね、このシリーズ、ああいう変な終わり方で今まで来てるから。
さて。お話について。
伊達ちゃんのスカートがボタン留めなのは絶対(笑)。
何かのときに腹筋張ったりしても、ボタンだと自然に取れるので戦闘に向いてるという経験から。
ベルトは武器に拘束にと使えるけど、邪魔になること多いんで。ホックもそう。
身動きに支障が出やすいんです。
剣道の公式試合、眼に不具合があると出られないのは、そういう人が自分の時代に居たからです。
腕は中級くらいの経験者なのに部の公式試合に出られなかった。
しばらくマネージャーやってたけど、自分より下手な子とかが試合に出てるのでつまらなくなって、結局辞めたみたいでした。
部の雰囲気も気を使ってて、淋しかったし。それ、結構大きいみたいでした。
覚悟出来てなかったの、そっちだったみたいです。
佐助さんが忍っぽくなった!と書いてて楽しかったんですが、すぐに終わって、がっかり。
で、シリーズ全体のネタバレやってくれて、便利な子で有難う、と感謝したり。
蘭丸さんとは、ちょくちょく話す機会があったみたいです。
蘭丸さんが、おじいちゃんって違和感あるけど、佐助さんのアレルギーの原因として外せないところでした。
前世の知り合いに固執するのは織田さんの周囲じゃないと想像できなかったんです。
積極的に探し回るほどの執着を抱けるのは、織田周囲じゃないと想像できなかった。
佐助さんや片倉さんが、現在の生活を蔑ろにするほど探すって、考えられなかった。
あと、市と一緒で、「え、この逆転は無いわー」という感じが欲しかった(苦笑)。
お話に必要なのは、謎解きと驚愕だよね、っていう方針です。
これあると、快感なんで、書いてる人が(笑)。
織田信長は市の弟です。こまっしゃくれたガキなのに、浅井さんと大分歳が離れた友情を成立させてる。カリスマの片鱗が既に現れてます。
蘭丸は会えるといいねえ。でも、もう一度生まれ変わってから、というイメージがあります、ごめんね。
織田信長が本来は庇護対象の蘭丸を傍に置くの、信長というキャラクターの要素だと思ってるので、この歳の差は絶対必要だと信じてます。
それから、乱丸って誤変換ごめんなさい。
違和感はあった。でも既視感もあった。
森蘭って略でずっと呼んでからだ・・・。
片倉さんが佐助さんを注意してた件は、武田のひとだったってのもあるけど、伊達ちゃんが女の子だから、面白がって彼氏にしそうだな、という懸念もありました。
杞憂です(笑)。間違いなく杞憂です。
そのくせ、片倉さんは周囲の人が「小十郎はお嬢に嫁げばいいんじゃねえの?」(嫁ぐのは片倉さんか!!)とか秘かに言ってることに気付きません。
意識の外っていうか。恐れ多いから想像すらできない・・・。
この辺りの話、番外編で書きたかったー。
伊達ちゃんは伊達ちゃんで、幸村さんは幸村さんで、二人ともちゃんと現世の今の佐助さんと友情を築いてた意識だったので怒ってます。
でも、佐助さんだって、現世の生活を楽しむために情報を秘匿してたんで、喧嘩両成敗。
わかってくれるのは武田さん、片倉さんだけでしょうけど。
そうして、これからもこのひとたちは日常を続けてくんだよ、っていう終りです。
ここまで長い、解説じみた備忘録、ご拝読いただき、感謝!!
作品名:前世だかのメイキング 作家名:八十草子