前世だかのメイキング
書いてるとき、現代茶席の本を読んでて、こんな話になりました。
でも、「梅が降った、梅雨だ⇒夏の茶席だ!」という発想は、書いてる人の好き勝手です。
如何にもやりそうじゃないかなーと。
このときだけは、武田方、という扱いを佐助さんはされてます。
だから小さい茶室には通されなかった、というのもあります。
武器携帯が駄目な部屋は通さない、っていうのは、「今日の佐助さんは敵方」という意識があったからです。
寧ろ佐助さんは仕合の案内人なんで、武器は持ってて当たり前なんだから、そんなところ通せるかニジリグチ(漢字出ないー)とか、っていう伊達ちゃんの意識。
茶室のことについて知ってるのに、茶席は初めての佐助さん、本で読んで知識を得ました。
伊達ちゃんと一緒にいたから「知っとけよ、日本人」みたいな感じで、アホのようにそういう趣味系の本を読まされました。
武田邸の留学生に説明する機会が多かったから自分で調べたのもあります。
学校の図書室に、そういう本をたくさん仕入れてもらいました。
お茶の道具立てが、書いてて楽しかったです。
佐助さんに供されたお茶の茶碗は、赤楽。
一度、オレンジにしか見えない赤楽を見たことがあって、佐助さんの髪の色だわーと思い出しました。
「これマジで赤楽なの?赤でも朱でもないじゃんもうこれ!」とエキサイトしたんです、見たとき。
棗は八角黒無地。オールシーズン使えるので伊達ちゃんのお気に入りかと。
他の道具は見たとおり。香炉が無いのが残念。
で、お茶は辻利さんの十徳です。
知る限り、一番甘いと思います。
このお茶を愛してます、どんな宗匠お好みよりも。
良いお茶ってのは、苦味のあと、甘みも感じられるのが結構あります。
・・・宗匠お好みは、苦いのばっかりな気もしますが。
「甘み足んない。好みじゃないからヤ!」とか京都でやってた学生時代でした。
書いてる人は千家の作法で幼稚園から抹茶飲んでるくせに、ルールめちゃくちゃなんで御容赦ください。
表千家の作法で亭主やったり、裏千家の師範をお手伝いしたりと、本気でめちゃくちゃ。水屋だけ慣れてます(笑)。
正式に免状貰うような習い方はしてません。
・・・つか、免状貰う習い方してたら、今これ書いてるくらいに自由じゃなかったと思う。
相続条件みたいな扱いだったもん、免状貰うの。セーフ。
没落中の家じゃ負債だって相続されるんだぜ・・・。
憶えてる大半は家の都合で裏千家だと思うけど、ときどき表千家が混ざってると指摘されます。お箸とか。
なので、お茶席について詳細は逃げました。
<存在してた設定>
・武田信玄が幸村さんと同じ学校で教授やってること
<存在してなかった設定>
・佐助さんや伊達ちゃんと、浅井さんが知己であること
◎番外編3つめ
避けてたのに市と知り合っちゃった佐助さんが真田さんの電波受信を隠す話。
高校3年生、冬。
佐助さん、人にぶつかりまくりです。
どうもブロック上を歩くのに慣れちゃったみたいですね。
あれ、避けても相手の方が動きを読み間違えてぶつかってくることあるんだよ。
あと佐助さんの意識が散漫ってのもある。受験大丈夫だったんでしょうか・・・
市の設定は、「戦国一の美女がーっ!?」っていうのをやりたかったんです。
あと、学校生活を市と長政で考えて・・・男女だと変化無いわーって。
前世と変化無いまんまで、それは残念だったんです。
あの夫婦、相性は悪くないんですよね。
ただ、扱いに長政さんが戸惑ってたり、市が躊躇したりしてないか?と思ってます。
で、もうちょっと、良い関係性になって欲しかった。
性転換したら、自分の中では少し、背伸び程度の少しだけど関係が良くなって見えたので、男の子で行っちゃいました。
ところで史実の市という人は、小豆袋のエピソードを出すまでも無くとても賢い女性だったろうと思ってます。
古今東西、歴史で長く美女と語られる女って、とても賢い女である傾向があると思うんです。
そういうクレバーさをこの市にも盛り込めたら良かったんですけど・・・BASARAの市じゃ無理だー・・・。
自動筆記に慣れた自覚が、この頃はありました。
どうやって始めようかなーと考えて、思いつかなくて・・・でも今までキーに手を置いたら勝手に動き始めたよな、と思って書き始めたら書けたっていう・・・。
あーもー、ほんっと電波ー電波ー。
あとは、整理ですね。
佐助さんが前世アレルギーとどうやって折り合いつけたかって説明兼ねた整理。
何にも変わらないのにアレルギー反応出すの、どうでもいいじゃない、っていう。
日常に、ちょっとスパイスとして電波があるだけだよって理解してます。
気をつければ、大事にしている今に変化があるわけじゃないんだよって。
それは誰であっても、そうなんです。
<存在した設定>
・幸村さんのクラシックギター専攻
(やっと決まった!と、嬉し泣きしそうでした。ずっと悩んでたんで。大学院は確定のくせに、専攻が解らなかったんで。)
<存在してなかった設定>
この頃にはもう、存在してなかった設定があんまりありません。
●最後の話
幸村さんと伊達ちゃんが顔を合わせて、佐助さんが怒られる話。
高校3年生、初春。
タイトルは、コレを持ってこようと3つめ辺りで決めてました。
もともと「前世を言う+否定」の形でタイトルに縛りをつけてました。
1つめは、まるマの台詞から取ってますがこの縛りは確定事項でした。
前世って、なんだろう?と思います。
前世持ちという人をリアルで知っています。
でも、だから何?と本人は特に何も変わりません。
何にも変わらないし、変わって扱われるのもスッゲ嫌がります。
そも、前世の関係を継続することが無いからというのもありますけど、今を生きてることに前世の有無は関係無いんだから、というスタンスに、自分には見えます。
だから、「前世を言う+否定」ってタイトルをつけました。
・・・タイトル縛りって3つくらいから苦しくなると、まるマの作家さんも仰ってましたが、ホント、3つめの話辺りから苦しくなってます(笑)。
タイトル浮かばないよーの山越えたりタイトルまた尽きたりと色々ありました。
どこで真田さんと会わせようか、と考えて。
自然なのは武田道場だな、と思ってここで再会してもらったんですが、伊達ちゃんが能動的で、振り回されました。
Let’s Party!とか言われて、ストップしました。
戦闘シーン、活字で読んで楽しくない、と思ってます。
一度、失敗したことがあるんです。現代物で。上手い人もいるんで尊敬します。
書いてて楽しかったんですけど、その描写を頭に思い浮かべる手間は、読者にとって邪魔だろうな、と。
実際、そのシーンを数年後に読者として読み返して、やっぱりつまらなかったんで、戦闘シーンは最小限にしよう、と決めました。
・・・が、その先が続かない。
どうしようか、と思って会社に行きました。
・・・東日本大震災が発生しました。
(ここから暗い話です、すみません。)
作品名:前世だかのメイキング 作家名:八十草子