水晶の部屋
「あのー、おにいさん、悪いけどその本売り物じゃないの。一応貴重な本だから、丁寧に扱ってくださらない?」
「あ、すみません。見掛けない本だったので、つい。」
「間違って並べちゃったのかしら。それは奥に仕舞っておいたはずなんでけど。まあいいわ。」
そう言って少女は重たい『魔女図鑑』を細い両腕に抱えて歩き出した。ふらりとよろめき、本棚に肩をぶつける。
「よかったら持ちましょうか?その、重たそうなので…。」
そう言うと、くるりとこちらに振り返り、素早く僕に本を渡した。
「あらー。わるいわね、たすかるわ!」
にこりと笑った口の端から白い八重歯がのぞいた。
「こっちよ、こっち、この奥の机に置いてくれたらいいわ。」
そう言っていつも少女が座って本を呼んでいるレジの向こう側へと通された。
「あ、すみません。見掛けない本だったので、つい。」
「間違って並べちゃったのかしら。それは奥に仕舞っておいたはずなんでけど。まあいいわ。」
そう言って少女は重たい『魔女図鑑』を細い両腕に抱えて歩き出した。ふらりとよろめき、本棚に肩をぶつける。
「よかったら持ちましょうか?その、重たそうなので…。」
そう言うと、くるりとこちらに振り返り、素早く僕に本を渡した。
「あらー。わるいわね、たすかるわ!」
にこりと笑った口の端から白い八重歯がのぞいた。
「こっちよ、こっち、この奥の机に置いてくれたらいいわ。」
そう言っていつも少女が座って本を呼んでいるレジの向こう側へと通された。