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司令官は名古屋嬢 第3話『災難』

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 その日の昼過ぎ、守山の部屋(作者の家ぐらい広い……)にて。

 守山は、メイドが入れてくれた紅茶を飲んだ後、ベッドの上で、枕に顔をうずめて泣いていた……。泣いている原因はもちろん、今朝の出来事だ。
 しかし、しばらくして彼女は泣くのをやめ、仰向けになって天井を見ながら考え事を始めた。考え事とは、以下のようなことであった。



(なぜ、バレたんだろう? あの虐待現場のデータは、司令部のメインコンピューターの、鍵付きの個人ファイルに入れてあったはず……。メインコンピューターのセキュリティは、帝国連邦レベルの最先端のもので、パスワードが無いと絶対にアクセスできない。緊急事態のためのアクセス権を持っているのは、山口さんとヘーゲル大尉とナナねぇ(大須)だけのはずなのに。……もしかして、他にもアクセス権を持っている奴がいるってわけ?
 ……そういえば、なぜ山口さんが、私が昨日テロリストを殺したことを知っていたのかしら? 現場からの報告はまだ無かったはずなのに……。 知っているのは……、あっ!!!)



 そこで、守山は勢い良く起き上がった。そのときの彼女の顔は、ランボーが味方に裏切られたときのような怖い顔になっていた……。
「あいつがチクリやがったんだ!!! あの女、スパイだったんだ!!!」
彼女はまるでミュージカルのように大声で独り言を叫んだ……。
 たまたま彼女の部屋の近くにいたメイドが、彼女がとうとう狂ったのかと心配し、部屋のドアを開けた。
「お…お嬢様?」
彼女は鬼のような形相でメイドを見る。メイドは彼女の顔を見て、ビビッていた……。
「ちょうど良かったわ! 玄関までタクシーを呼んでちょうだい!」
「は…はい!」
メイドは思わずそう答えると、その場から走り去った……。
 守山は、ニヤリと笑っていた……。そして、彼女はケータイを手に取ると、何かを入力し始めた。



 午前中までのシフトを終えた白鳥は、休憩所で昼食のサンドイッチを食べている。そのとき、彼女のケータイの着信音が鳴りだした。
電話ではなく、メールだった。
 白鳥はすぐにケータイを開き、そのメールの内容を読んだ。読んだ瞬間、白鳥の目つきが険しくなった……。