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司令官は名古屋嬢 第3話『災難』

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第3章 不祥事



『おまえらは、オレの出世を邪魔する気か!?』
「そんなつもりはありません」
『なんで、よりによって、プラントのザフト兵の捕虜を虐待するんだ!? 戦争になったら、オレたちに勝ち目があると思っているのか!?』
「それは……」

 司令官室では、モニターを通じて、大須と山口が話をしていた。もちろん話している内容は、捕虜虐待の件だ。天井から吊り下がっているモニターの向こうにいる山口がいるのは控え室で、ガリアとヘーゲルがドアの近くに立っており、少し離れたところにいるヘーゲルと佐世保は、それぞれ別のところと通信をしているようだった。山口は怒り心頭の様子で、これがモニターを介しての通信じゃなかったら、今にも殴りかかってきそうだ……。

「失礼します」
 そこに、守山が司令官室に入ってきた。ドアを開ける音が山口にも聞こえたようで、
『守山か?』
「ええ、そうです」
『直接言ってやりたいから、おまえの隣りに立たせろ』
山口は大須の右隣を指さした。
「……はい。 守山少尉、ここに立ちなさい」
「わ、わかりました」
いつもとは違う大須に、守山はたじろいでいた……。守山はゆっくりと大須の隣りに向かって歩いていき、気持ちを落ち着かせようとしながら、大須の隣りに立った。

『守山。おまえは、中京都軍じゃなくて、ブルーコスモスにでもいたほうが良かったんじゃないか? そうすりゃあ、今すぐおまえを撃ち殺せるからな! 紹介状を書いてやろうか? ブルーコスモスのクソどもは、喜んでおまえを迎えてくれるだろうよ!』
「…………」
山口は、普通の会社ならパワハラで訴えられるようなことを言ったが、守山は肩を震わせながら黙っていた。
『オレは、昨日のようなテロリストを殺せとは言ったが、コーディネーターの捕虜を虐待しろとは一言も言ってないぞ? もし、プラントがこの世界に戦争をしかけないかわりにおまえの命が欲しいと言ったら、快く受け入れるからな?』
「山口少佐、それぐらいしてあげてください」
さすがに大須が止めに入った。
『黙れ! そもそも、おまえがちゃんと管理できてないからじゃないか!?』
「そ、それは……」