小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

司令官は名古屋嬢 第3話『災難』

INDEX|5ページ/12ページ|

次のページ前のページ
 


【時間軸】…異次元暦42735年 1月26日 朝7時頃
【場所】…758号世界 中京都(旧愛知県)守山区
     中京都軍本司令部



 翌朝、守山を乗せたヘリは、中京都軍の本司令部に着陸した。雪は積もっていなかったが、地面に霜がおりていた。司令部のヘリパッドには、夜勤明けと朝勤の整備兵がいたが、誰も降りてきた守山と目を合わせようとしなかった……。気まずそうな雰囲気が漂っている……。
「?」
守山は不審に思いながら、ヘリパッドから司令部の中に入って行った。守山が去った後、ヘリのパイロットは整備兵に、何があったのかを尋ねた。その整備兵は黙って、スボンの後ろポケットに突っこんでいた今朝の『文々。新聞』をパイロットに手渡した。

 ヘリパッドの整備兵だけでなく、司令部の兵士や職員も、守山と目を合わせようとせずに避けていた……。次第に守山は怖くなり、たまたま休憩所にいた上社と東山に何があったのかを尋ねた。
 上社と東山は戸惑っていたが、そこに置いてある新聞を読めばわかると言った。守山は急いで、休憩所のテーブルに置いてあった今朝の『文々。新聞』を見た。CROSS寄りの既存の新聞ではなく、異次元の中立的な新聞である。



 一面にデカデカと、『758号世界で捕虜虐待』と大きな文字で印されていた。その文字の下には動く写真があり、その写真の中央で、守山が1人の捕虜を蹴っていた……。その周りにも、数人の捕虜収容所の兵士が捕虜を取り囲んでいた。
「な、なんで!? これが!?」
彼女の手は震えていた……。
「……なんでそんなことしたんだよ!」
上社が彼女を強気の口調で非難した。上社は、いつもの穏やかな表情をしておらず、隣の東山も軽蔑の目で東山を見ていた……。
「……と、特に理由は無いわよ」
彼女は声を震わせながらそう言い返した。
「ウソだろ? 差別心があってやったんだろ?」
「ち、違うわよ!!!」
彼女はムキになってそう言い返した。
 そのとき、司令部内放送のチャイムが鳴った。独特な音から、大須本人からの放送だとわかった。
『守山少尉、至急、司令官室まで出頭せよ』
普段ならもう少し崩した口調で放送しているはずだが、今の口調は、怖いぐらい丁寧で命令口調だった……。「なっちゃん」ではなく、
「守山少尉」と呼んでいた。
「もうお別れかもしれないね」
上社がそう言うと、守山は彼を蹴った。
「痛っ!」
上社は転びそうになった。
「ふざけたことを言ってると、殺すわよ!!!」
守山はヒステリックにそう叫んだ。
 そして、そのまま、大須がいる司令官室に向かった……。