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司令官は名古屋嬢 第3話『災難』

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第2章 帰還



 守山を乗せた車は練馬基地に着いた。基地には、自衛隊から鹵獲した戦車や装甲車や高機動車などの兵器の他に、ロシア製の戦車や装甲車などの兵器もあった。急造したヘリパッドには、『ハインド』があり、守山は車から降りると、そのヘリに向かって歩いていった。
基地の上空を二機編制の無人戦闘機が飛んでいた。
 守山がヘリに近づくと、そのヘリのローターがゆっくりと回り始める。彼女がスライド式の前まで来ると、中からドアが開いた。彼女はミニスカートが風でめくれないように注意しながら、ヘリに乗りこんだ。
 守山が乗りこみ、ドアが閉まると、ヘリは上昇を始めた。そして、
一定の高度に達すると、西に向かって進み始めた。守山を乗せたヘリは、大須がいる中京都軍の司令部に向かっていた。

 ヒマだった守山は、ウォークマンに付いているラジオをつけてみた。しかし、今はどこの局もCROSSの御用メディアになっている状態なので、いろいろと偏り過ぎていてつまらなかった……。
『明日、我々の代表者である山口閣下は、『異次元連盟』の総会に出席されます! その後、閣下は、大日本帝国連邦とプラントとの停戦交渉にも出席されます!
 それでは、今日の放送はこれで終わりです。香霖堂の提供でお送りしました』
守山は腕時計を見た。夜10時だった。他の局にも合わせてみたが、どれも放送を終えていた。仕方なく、守山は眠りにつこうとしていた。
『予定到着時刻を教えてください』
 そのとき、ヘリのコクピットにある無線機から少女の声がした。司令部の通信員の少女の声だった。その声は機内の内線を通じ、守山がいるキャビンに聞こえてきたのだが、彼女はピクリと反応していた……。守山は嫌な気分になっているようだった。
「適当に教えてやっとけばいいのよ! こっちはテロリストを退治したばかりで疲れているんだから」
守山は内線を使って、コクピットにイライラした口調でそう言った……。コクピットから返事は無かったが、
「朝だ」
コクピットから投げやりな声が聞こえてきた……。仕方なく言っている感じだ。
『……わかりました』
通信員の少女はそう言うと通信を切ったようだ……。そのことに、守山は一人で笑った……。キャビンにいた兵士たちは無言だった。
 笑い終えた守山は、再び眠りにつこうとしていた。