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司令官は名古屋嬢 第3話『災難』

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   パリィ!!!

 突然、ガラスがヒビ割れる音がしたかと思うと、窓の外を見ていた中年男性が仰向けに倒れた……。額に小さな穴が開いており、そこから血が噴水のように噴き出した。
「きゃあ!!!」
女性が甲高い悲鳴をあげた。
「敵襲だ!!!」
ゲリラ兵の男性がそう叫ぶと、その場にいた全員が拳銃を構えて物陰に隠れた。ゲリラ兵の男性は机を倒して盾にして、若い男性とともに2人でそこに隠れた。

 そのとき、廊下へと続くドアのカギがガチャリと開く。
「ウワァァァァァ!!!」
机に隠れていた若い男性がそのドアに向かって撃った。そのうちの何発かがドアに当たり、その衝撃でドアが廊下側に開いた。ドアの向こうには誰もいなかった。
「味方だったかもしれないだろ!」
ゲリラ兵が、小声で撃った若い男性に注意した。男性は「すまない」
と言うと、拳銃のリロードを始めた。

   タタタタタタタタタタ!!!!!!

 突然、窓のほうから、連続した銃声とともに銃弾が、窓ガラスとカーテンを突き破って、部屋の中に飛びこんできた。その銃弾は、隣りのビルの屋上から飛んできた。部屋に入ってきた銃弾は、リロードしていた若い男性を始め、部屋にいた数人の男女を死を与えた……。ドア側からは物陰が機能していたが、窓側からは無防備な状態だった……。少ししてこの窓からの銃撃は終わったが、部屋の中で生き残っているのは、ゲリラ兵と一人の男性だけとなった。
 すると、生き残った男性が窓のほうに突っ走って行った。ゲリラ兵は止めたものの、その男性は窓際まで来ると、銃弾の穴だらけになったカーテンとほとんど窓枠だけになった窓を乱暴に開けた。

 窓の外に見える隣りのビルの屋上には、3人の中京都軍の兵士がおり、そのうち2人が自動小銃のマガジンを交換していた。その上では、中京都軍のヘリコプターの『Mil−8』がホバリングし続けていた。ヘリのサーチライトは男性を照らしており、彼は格好の的になっている状況だったが、3人中2人はリロード中だった。ただ、狙撃銃を持った兵士は、突然の出来事に驚きながらも、その男性に向かって撃った。だか、その銃弾は急所には当たらず、左肩をかすっていった。
 それでも痛いらしく、男性はその場でバランスを崩した。バランスを崩した男性は窓の外に倒れ、そのまま下へ落下していった。ゲリラ兵は男性の名前を叫んだ後、隣りのビルの屋上にいる3人の兵士を次々に撃ち倒していった。ヘリは急上昇して、窓からは見えない死角の位置に移動した。