デッサンは4日目に完成する
【三日目の夜】
いきなり彼女を家まで連れてきた僕に、両親は案の定驚いていた。びっくりしすぎて腰を抜かしそうになっているのが、僕にはとても愉快でならなかった。二人とも、泣きそうになったりどこか焦ったりしていたのは、僕たちがまだ高校生だからだろうか。結婚しようと思ってるなんて、まだ言わない方がよかったかな。お母さんなんて、貧血でも起こしたみたいに倒れそうになっていたし。ちょっと、事を急ぎ過ぎたのかもしれない。
でも、僕は後悔していない。
どこか照れくさそうにはにかんでいる彼女をずっと横につれて、僕はずっと幸せだった。
とうとう、デッサンの完成は明日に迫っている。
作品名:デッサンは4日目に完成する 作家名:yueko