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律姫 -ritsuki-
律姫 -ritsuki-
novelistID. 8669
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アイシテルのカタチ

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月曜日。
なんだか京介さんとは上手く時間があわずに話せないまま日曜日が過ぎた。
たぶん、時間を合わせないようにしようと動いたせいもあるとおもうけど。

学校でびっちりと授業を受け終わるころ、窓際のほうでざわざわと騒ぐ声がした。
「翔大、すごいぜ。白のベンツが校門のところに停まってる!」
同じクラスで友達の杉野がこっち来いよ、という風に手をこまねく。
白のベンツなんて、よっぽどのお金持ちなんだろうけど、ここは有名私立だし、ベンツで迎えくらい、ないわけじゃないとは思う。
「しかも、車乗ってる女がさっきからチラチラ顔出すんだけどすっげー美人!」
その一言でやっとこんなに騒がれてる理由がわかった。
「僕は帰るから」
「俺も帰る!あのベンツの美人を近くで一目拝まねば!」
別にどうでもよかったけど、とりあえず一緒に帰ることになって校門までの道を歩いた。
校門を過ぎようとしたとき、白ベンツの後ろのドアがいきなり開く。
そのまま歩きすぎようとしたけれど、隣を歩いてた杉野が僕の服をひっぱったまま立ち止まった。
杉野につられてベンツから出てきた美人を見ると・・・見覚えがある。
しかも、その人はつかつかと僕たちのほうに歩いてくる。
「翔大、やべーって、俺たちのほう来るぜ。まさか俺に逆シンデレラストーリー?」
ばかな妄想にふけってる杉野はおいておくことにして、なんでこの人がここにいるのかを考える。
・・・僕と京介さんの関係がばれて釘刺しにきたとか?
でも、京介さんが自分から話すわけもないし、ばれるわけないと思うんだけどなあ。
そんなことを考えているうちに、その美人、つまり鳳堂物産のお嬢様は目の前に立ち止まった。
「明石翔大君よね?」
「はい、そうですけど」
「ちょっとお話があるの」
「なんですか?」
「ここでは話しにくいわ。一緒に来ていただける?」
疑問系だけど、有無をいわさず、車に引っ張り込まれた。
まあ、相手は女の人だし、殴られることはないと思うけど。
「ちょっ、翔大、どういうことだよ、きいてねーぞ!」
「ごめん、今度ちゃんと説明する」
騒ぎ立てる杉野を置いて、車は出発した。

杉野がしばらく見送ってるのを見届けてから、隣に座る人へと向き直る。
「あの、どういうご用件でしょう?」
「わたくし、車の中で大切な話をするという野蛮な習慣はありませんの」
「それじゃあ、どこに向かってるんですか?」
「うちのホテルのお部屋でお茶でもご馳走するわ」
本当にやることなすことお嬢様だ。
「それから、なんで僕の学校がわかったんですか?」
「知られたくなければ迂闊に学校指定の鞄なんて持ち歩かないことね」
そういえば、このまえ京介さんの会社にいったときの鞄が学校の鞄だった。
・・・本当に、迂闊に持ち歩くものじゃない。
その人の隣に座り続けること約20分。
高層ビル群の中のホテルの前に車がつけられた。
なれた足取りで歩くその人の後ろをついていく。

部屋に着いて、部屋の呼び鈴を押すと中から一人男が出てきた。
金髪で背が高い外国人。
体系はどちらかというと痩せ型くらい。
それでもたぶん喧嘩をしたら勝てない。

「どうぞ、そちらに座って」
そういってソファを薦められる。
向かいにお嬢様が座り、外国人は僕の後ろの壁によりかかって立った。

コポコポとお茶が注がれて、高そうなティーカップが目の前に出される。
「どうぞ」
「どうも」
差し出されるがままに一口だけ飲んだ。