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律姫 -ritsuki-
律姫 -ritsuki-
novelistID. 8669
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アイシテルのカタチ

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「京介さん、はい」
京介の目の前に置かれたグラス。
「疲れてるときには甘いものとらないと」
冷たいミルクティーが注がれている。
一言お礼を言ってから、京介がそれに手をつけた。
「翔大、学校で必要なものはない?」
「またその話?この間、黙って日雇いに出たことは悪かったっていってるのに」
「自分から言わないなら聞き出すしかない。そろそろ今年度の修学旅行の積み立てが始まるころじゃないの?」
翔大が返した答えはだんまり。つまりは図星。
「そういうのはちゃんと連絡のプリントが来るだろ?学校から来るプリントは全部出しておきなさい」
「それは無理」
「なんで?」
もし翔大がそうしたら、意外と高校にはお金がかかるということがばれてしまうから。
この人はそれを振込みとか何とかで一瞬で払ってしまうに決まってる。

「京介さん、まずお風呂入ってきたら?今、お湯あっためなおして来たし」
「こら、話を誤魔化すんじゃない」
「誤魔化してないよ、疲れてるときにする話じゃないから、まずは疲れを落としてもらってからと思って」
めいっぱい笑ってそういうけれど、京介の眉間にはしわが寄ったまま。
かと思うといきなり腕をひっぱられた。
「うわっ!」
京介のほうへ引き寄せられて、後ろから抱きしめられる。
「京介さん・・・!?」
「一回逃げられちゃうとその後捕まえるのは難しいし、ね。なんで俺に学校のプリント見せたくないのか言ってごらん?」
それを口に出してしまったら、この人はいろんな理由をつけて、強引に約束をとりつけるに決まってる。
一緒に暮らし始めたときみたいに。
部屋代も出すって言ったのにいらないって言うし。
光熱費くらいはと思ったのに、それもいらないっていうし。

ここまでしてくれる上に、この人は学校で必要な経費まで出してくれようとしている。

でも、逆にしてあげられることは何もなくて。
京介のことは好きだけど、そういう理不尽な関係は嫌・・・なのかもしれない。

でも、こんなこと面と向かって言えるわけないし。

「翔大?」
「言わない。京介さんは学校関係のお金まで払う必要はないの」
「だーめ。バイトと勉強で死にそうになってる翔大はもう見たくないから」

確かに家賃から何からすべて自分でまかなってたころは死ぬほどバイトをしないといけなかったけど、学校の経費を払うくらいなら余裕・・・って言うだけで嫌な顔される・・・。

「もしかしてまたバイトすることとか考えてた?」
そう聞かれて、言葉に詰まる。
「それは絶対だめ。バイトはしないって前に約束したよね?」
京介が翔大を抱きしめる手が妖しく動き出す。
Tシャツのすそから体温の高い手が侵入して素肌を撫でる。
「京介さんっ!・・・っ」
胸の突起を遊んでやると翔大の口からは甘い声が漏れた。
「約束破ろうとしてたなんて、おしおきが必要かな?」
首筋にキスを落としながら、胸の突起を強く摘んだ。
「っ・・!」
「働くなんていわないって、もういっかい約束して」
容赦なく胸の突起を弄るたびに翔大の口からは甘い声が漏れる。
けれども、決して京介が要求する言葉は出てくる兆しはない。
焦れた京介が服の上から翔大の足の間を撫で上げ、翔大にとって充分つらい状態であることを確認する。
「翔大、これからも約束まもってくれるよね?」
「・・・こういう聞き方は、ずるい・・・」
「ずるくてもいいよ、翔大が約束してくれるなら」
頬を赤くして、上目遣いに見上げてくる相手を前にして、これ以上手を出さないということも簡単じゃない。
「なんで・・・京介さんはそんなに俺が働くのを嫌がるの?」
「翔大は高校の学費免除の成績をキープするだけでも充分がんばってる。これ以上がんばってほしくない」
「でも、前は家賃とか全部自分で払ってたからきつかっただけで、今は少しくらいバイトしても大丈夫」
「それでもだめ」
この大人な子供には、もっと大人に甘えていいことを学んでほしいから。
「なんで?」
「それは翔大が自分で気がつかないと意味がない」
「なんでだよ、わけわかんない・・・・もう寝るっ!」
京介の手をほどいて、リビングを出ようとする。
「もう申し込むバイトも決めてあるから」
出際にそういって、自室へと入っていった。

「寝るって、まだ9時だし、あんな状態で寝れるわけないのに」
言い出したら聞かないからな・・・。