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小さな鍵と記憶の言葉

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第11章



 金の鍵を握る少女がいた。

 ひそやかに少女を追う兎がいた。

 亡羊と空を仰ぐ女があった。

 愁然と彼女を見る王があった。

 窓際で水煙草と思索に耽る男があった。

 静やかに皿を運ぶ橙髪の給仕があった。

 神経質に廊下を急ぐ騎士があった。

 爛々と本の陰で笑う一匹の猫がいた。