小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

昼下り

INDEX|4ページ/6ページ|

次のページ前のページ
 


元々の原因は女にあって、それで親切にされている筈だが
こっちが気を悪くさせたというか、妙な空気が漂った。

だが、女は気にする風もなく相変わらずモニターを見ている。
その横顔は別人のようにスマートだ。

余計に気まずくなったオレはコーヒーカップに手をかけた。

「貰っていいかな?」
「あ?どーぞ」

ニコリとした女の顔は丸い輪郭のせいか愛嬌があり
パーツの一つずつはとても優れている。むしろ残念だ・・・。

オレは気を取り直すようにコーヒーを口に運んだ。
温くなったそれは急激に増加した唾液とブレンドした。

(しゃれてみた・・・・・)




「やっぱり悪いよ」
「えぇ?そう?」

弁償して貰う訳にはいかないと再度告げてはみたが女の動きは
止まらず、再びマウスを握り体を斜めにして座り直した。

その結果、オレの右肘は緑のボールに食い込んでいる。
女は自分の体がどこまであるのかなど全く興味がないらしい。

キーを打つ腕が動く度、柔らかな感触が振動する。
オレは顎を引き知らない内にその伝達域周辺を眺めていた。

「どうかした?」
「んぁ・・・いやぁ・・・」

オレはとっさに顔を上げパソコンを見つめた。
誤魔化すようにコーヒーカップにも手を送った。

久しぶりに見た画面は洋服とは違うサイトが開かれていて
フォームか何かに書き込んでいるようだった。

それも目には映っているだけで、全神経は右肘にあった。

オレの意識もジャンプしていた。

作品名:昼下り 作家名:ちゅん