続・聖なる日
放課後の活動を終えた私は、自宅へ帰る前に駅前の商店街に来ていた。買っておきたい本があったから。
「あれ? 慶……ちゃん?」
本屋に入ろうとしている私の背後から聞こえてきた声。振り向くと、そこには懐かしい顔があった。
「西村さん」
私とは違う制服を着ている目の前の女の子は、中学時代の友達である西村由紀子さんだった。もともとブラウン系の髪だったけど、今では金髪に近い感じになっている。風紀委員である私はちょっと注意したい衝動に駆られたけど、治外法権だからグッと我慢した。
「わぁ〜 久し振りィ! 元気ィ?」
「うん……西村さんも元気そうだね」
「やだなあ、由紀ちゃんって呼んでよ、慶ちゃん」
中学時代と変わらない笑顔を見せた彼女は、私を近くのファーストフード店に誘った。いつもなら絶対に行かないけど今日は特別だと自分に言い聞かせてついて行く。
中学時代の友人達がお互いの学校でどんな風に変わっているか。それが私達の会話の中心だった。まあ、ほとんど私は聞き手だったけれど。
「ああ、そうそう! アイツ覚えてるよね」
「ん? 誰?」
「篠原……えっと篠原圭介」
その名前に少しドキリとしたけれど、表情に出さないように努める。
「ああ……いたね。彼も同じ高校だっけ?」
「そうだよ。アイツにさあ、夏美が告白するんだってッ」
「えっ……」