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そらとぶじてんしゃ

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次の日も、ケンくんは水色の自転車に乗りに、公園へ行きました。

公園には、ケンくんの他にも、遊びにくる子はいました。でも、ケンくん以外の誰も、水色の自転車に乗ろうとしませんでした。
おかあさんに、自転車のことを話しても、信じてくれませんでした。

「おかあさんに、ぼくがとんでるのをみせたいな」
足元に見えるケンくんの家を見ながら、ケンくんは言いました。

「残念だけど、僕は空と同じ色をしているから、下からみても誰にもわからないよ。」

今まで誰にも気づかれなかったので、ケンくんは自転車のいうことが本当だとわかりました。

毎日水色の自転車に乗っていると、だんだん遠くへ、どんどん高いところへ行けるようになりました。

自転車のあった公園も、ケンくんの家も、スーパーもコンビニも、そして大人も、みんな小さく見えるようになりました。

ケンくんは、今まで行ったことのなかった、大きな広場の真上へ行ってみました。
そこでケンくんは、前まで一緒に遊んでいた友達が、かくれんぼをしているのを見ました。

ケンくんには、誰がどこに隠れているかすぐにわかりました。でも、ケンくんは見ていることしかできません。
そうしているうちに、隠れていた子は全員、鬼に見つかってしまいました。

ケンくんは、黙っていつもの公園へ戻りました。
作品名:そらとぶじてんしゃ 作家名:三星酸素