看護師の不思議な体験談 其の弐
体が若干軽くなる。でもピクリとも動かない。
キーンと高い音で耳鳴り。
その時、頭の上1cmくらいのあたりを、ふわふわと変な感触がする。
触れるか触れないかのギリギリのところを、ふわふわっと。
(頭、なでられた)
そんなことを考えながら、結局強い睡魔が訪れ、意識をなくした。
携帯電話のアラーム音で目が覚める。
1時間というわずかな仮眠から目が覚めた。
(夢、じゃなかった、と思う)
自信がなかったが、関節が痛いのが金縛りにあった証拠。
あたりを見回す。何も変わりない真っ暗な部屋。ただ汗びっしょりな自分。
あの変な音は聞こえない。
机の上に、患者様への説明用に小さな骨格標本が置いてある。
(なんか動き出しそう)
見慣れてる標本にゾッとし、部屋を飛び出した。
作品名:看護師の不思議な体験談 其の弐 作家名:柊 恵二