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分岐点 (後編)

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十二月二十四日(月) 

「逃げろ!瑞樹!!」

啓一の大声とともに金属の割れる音が響いた。
それを合図のように、リビングから裏庭へと飛び出した。
肩くらいの塀を乗り越え、道路へ転げ落ちる。
水溜りに手を突く。霧雨に凍え、白い息を吐く。

『蒸気機関車みたい』

こんな時にも竜輝の笑顔を思い出す。
寒さと疲労で膝がガクガク震える。
―啓一、千恵をお願い
―竜輝は必ず私が連れ戻すから
私は裸足のまま、再び真っ暗闇の中へと走り出した。

作品名:分岐点 (後編) 作家名:柊 恵二